デザートと共に運ばれてきたカフェラテの表面に描かれた泡のハート。


「すげ~!!!」


子供みたいにはしゃぐ先生に



言えないよ・・





いちごのタルトと真っ白プリンを半分こして食べるこの幸せ。

こんな幸せを経験できる女の子ってそんなにいない。

私、本当に幸せだったんだな・・




「ホワイトデー何欲しい?」


ハートが崩れないようにそ~っとカフェラテを飲む先生は

かわいくて

よしよしってしたくなる。



「白いジャージが欲しい。」


ホワイトデーには私は先生の隣にはいない。


だけど・・


何が欲しいかと聞かれて真っ先に思ったこと。


「お前からもらったからやだ!」

「それじゃなくて・・・古い方のジャージ・・もしかして捨てた?」

「え~あんなボロいの??部屋に転がってるけど・・あんなん欲しいの?」

「うん・・・先生の歴史が詰まってるから・・初めて話したときも、遅刻して追いかけっこした時もあれ着てた。先生、白がよく似合うんだぁ・・」


先生は、前髪を触りながら照れる。


「あのジャージは私の宝物なんだよ・・」


「変なやつ~~!!普通、指輪とか言わねぇか?」


「だって・・・」


指輪・・・か・・。


いつか先生にもらった指輪をつけるのが夢だった。


そして、おそろいの指輪で毎朝目覚めるんだ。


いってらっしゃいのキスをして、先生を見送る・・



「ま・・指輪は、もうちょい待ってて。そのときが来るまでな!」


先生の右手が私の頭に触れ、

私は涙が溢れ出す。



その時・・・って?


先生・・・ごめんね。


先生・・・・



先生が大好きだから


先生の幸せが


私の幸せだから・・・



言わなきゃ・・・


『サヨナラ』を・・・