<ゆかりの気持ち>




どんよりした天気の寒い朝。

新学期を迎える私たちは、さまざまな想いを胸に学校へ向かう。



「おはよ~!直。」

「おはよ~、ゆかり!」



私、中田ゆかり。


親友の直と、久しぶりの再会に胸が踊る。


直からの電話があった時、
私は龍といたんだ。


クリスマスの夜。


私は自分の恋より

直が心配だった。



先生を見てると、とても寂しい顔をしてるし


直は先生を避け、先生のあの寂しい顔にも気付かない。


たまに向けられてる先生の優しい視線にも。



泣きながら、先生とまた気持ちが通じ合ったことを話す直は、


久しぶりに心から嬉しそうだった。


何をしてても、

何か足りない。


そんな顔してたから、

ずっと。



安心して泣けてきた私の隣で

龍は私の涙をティッシュで拭いてくれた。



直の恋がうまくいったら告白する。



そう決めてた私は


急にドキドキして

龍の目が見れなくなってた。