「うぬ!!来るか。」

大師は アンティーク調テーブルの
上空に重なり会う
巨大なシャンデリアジオラマの
前で、1つ呟くと

瞑想の遠視から覚めて、

ジオラマの周囲に廻る、
12個の花を指の舞いで後ろへ
引かせ
同時にジオラマ周りに
クリスタルな障壁を展開する。

瞬間!

『カッーーーッーー』

ジオラマから横に閃光が走り

『ドウオオオオオオオオオオオンンンンン』

上下方向に
太陽の様な火球が
上がり
破裂の蒸気が
上下に

原子雲 を発生させた!

ラボ全体が巨大なエネルギーの
火球膨張で、放散される
衝撃波と爆風のパワーに
暴かれる!

「ありゃ、これは。」

見れば、大師の仙人眼が赤く
光ると、その顔が消えた。

「仙気が飛んだな。」

大師は呟くも、
直ぐ様ビーカーの如くジオラマを
囲うクリスタルの障壁に
近づき、手を伸ばす。

瀑状が落ち着いた
双璧のジオラマは今1つに
重なり侵しながら
高速で回転をしている。

「マイケル。大丈夫か?」

大師が伸ばした手には、
金剛杖の先端がしっかりと
握られ、その端に
マイケルの千切れ姿が
回転に煽られながら
なんとか、現れた。

とわいえ、まだビーカーの中。
粒子の重い渦に捲き込まれ
マイケルの意識は
絶え絶えに見える。

「分離の熱量は破壊的だな、
マイケル、しっかり持てよ!
今流されたら其のまま闇に
落ちる。聞こえるか?!!」

ビーカーの端まで
マイケルの首を
引き寄せ
障壁ごしに大師が
コンコンとビーカーを叩く。

「、、あれ、大師、、?
なんか、、若、くなっ、た?」

マイケルの声が、
ラボの壁際まで下げた12の花から
細々聞こえてきた。

「そうかもな。さっきのお主、
明暗の分裂で融合された
エネルギーが わし、の仙気を
飛ばしてしまった。気にするな
気分はどうだ?マイケル?」

まだ朦朧としてマイケルが
杖を握っている。

「なんだろう。めちゃめちゃに
なったし、なってるけど、、
すごい爽快。感じたことない
感覚、憑き物おちたみたいな」

あー、あれだ カイカンだ!

そうマイケルが、大師に
杖ごしに伝えると

ビーカーの下に ボトリ、
黒い塊が堕ちた。

「お、出たな。」

大師が自分の杖で塊を串さす。

「マイケル、8大罪の昇華を
こちらでするぞ。お主は、
再び『走査』に入る。
次の段階へなるのだ。それは
お主の命題の答えにもなる。」

失敗は許されないが、
自由に選べる。

「大師、、ここまで、きたら、
やるよ、、後よろしくね、」

そこまで言うと
マイケルの首が金剛杖と共に
粒子の渦に消える。

「あい、心得た。」

消えたマイケルの首に
応と答えた大師は、
自分の杖に差した 黒塊に息を
掛ける。

それは蒼い炎を上げて燃え
消えた。

「マイケル、再び『走査』へ」

ここが正念場だ。

大師の後ろ姿が 一回り大きく
見えるのは、背中がピンと
伸びた筋力のせいだろう。

大師の独り言はラボに残響する。