翼龍隊長ドゥワネイは、

もう、異世界の島が
形を保つのは
難しい程に崩れて
来ているのを

目の当たりにしていた。




『ーン カアラーーー ..ンカアラ
ン...カア ラーー ーン .... 』



その時、マイケルは白い空間で

「ねぇヤオ、
『次元津波』って、何なの?」

ヤオに、さっきの通達に出た状況
を聞いていたわけで。

「わかりませんっ。」

ヤオはちっちゃい時の癖、
少し頭を傾げて、ニコッとするを
した。

「うわっ、ヤオ。
教えてもらってなくて、此処の
役目?マジぼっち対応だね、、」

「ぼっちですか?」

マイケルの言葉に、ヤオは口を
尖らせる。

「普通、ここってもう一人
魔導師来るとこだよねー?」

そんな風に
マイケルが言葉を続けると、
急にヤオが何か
思い出したのか、赤面した。

いやいや、おかしくないその顔?
だって闇に虐げられてない?
ヤオの状況。
マイケルは

「何?その 可愛いかおー。」

キョトンとして、ヤオの頬を
指でついて揶揄る。

もしも、ヤオが見せてくれた
通信どおりなら、
きっと外は
世紀末みたいになってるのかも
だし、
わたしのせいでヤオは立場が
弱くなっているだろうけど、

嘘みたいに、
此処は静かだよね。

マイケルがそう考える頃。



『 カ ア ラーー ー ..ン カ ア ラ
ン... カ ア ラーー ン 』

鐘は 音を軽くして鳴る。

そんな中を、
異世界人全て
志願者たちの各々が 体に括って
虚空に飛んだ。

ギルドの副長レサに、
遅れまいと
ラジ長の息子ヤケラも、
子どもを
おぶりながら
後に連なって、飛び出す。

もう異世界の島は
崩れて粒子になりかけて、、
落ちた。

『 アラーーー ..ン カ ア ラ
ン...カア ラーー
カアラーーー ..ン カ ア ラ
ン...カ ア ラーー ン 』


白い空間の中

一瞬外の状況とかetc.
意識をやる
マイケルに、

「ザードが、、ザード魔導師さま
に、さっき 『婚約』をいわれ
ました、、名を、その、
『ラジャ・スイラン』にと。」

ヤオが 徐に話たのは、

「・・・・」

「あ、あの『ルゥ・ヤングァア』
から、名を、その、替えてと」

海の中に立つ
海神ワーフ・エリベス像の前で
ザードに告白された事で、

告白どころか、求婚されたのだと
理解するまでに、マイケルは
しばらく石になっていた。

「・・・・・・・」」」」

「あのっ、マイケルさま、、?」

何、ザード、アイツ!!

「そうだ!初めて城にヤオと
登城した時からアイツは、
ヤオに惚れてたんだよ!
あたしの可愛いい、ヤオを
あたしが、居なくなった途端!」

ウッキー!、チキン野郎って、

そか、、

「マイケルさまが、反対なら
ヤオは、ザードさまの話、
聞かなかったことにしますっ」

ヤオがクリンクリンの毛を
プンプン振って、マイケルの手を
両手で包んだ。

その手は もう痩せてはいない。

あの頃のように。



『カー ラアーーンカ ラーーーンカラ アーーン』
ーン カラー ーー ンカラアーー
ン』


ウーリューウ藩島の城が、
展望にて、
遠視をしていた魔導師ザードが、
王将軍テュルクに

「テュルク様!!
ドゥワネイ隊長より、異世界人
の救助は完了の信号です!!
しかし、 間もなく
異世界の島が磁気粒子となり
藩島に降り注ぎます!!中へ!」

叫んだ!!

もう、一斉に魔力を
注入して結界魔法陣を動かす!!

ザードが 指を舞わして
全魔導師に合図する!!



『ゴーー ーン ガゴラーーーンガラーーーン
ゴ ーーーン ガゴラーーーンガラーー ーンゴーーーンガゴ ラーーーン ガラー ーーン』

藩島中から魔力が
白い空間へ送られる。


「ヤオ。わたしってもう、
居ないじゃない?
これからの後ろ楯、
何も失くなったんだよ? 不安
なんじゃない?、、だから。」

ほら、ザードならさ
って、
わたしに遠慮しなくて良いよって
ヤオに
告げようって思ったらさ、

「大丈夫ですよ。ヤオ、ザード
さまと結婚?なくても平気です
っ。きっとこれからも、ザード
さまのこと 好きだし、大丈夫」

ん?

「え?ヤオってザード好き?!」

何気にそうヤオが言うから、
さすがの 斜め上↗️恋バナにわたし
慌てたわけで。

「ハイ。」

「えーーー。何それ。なんだよ。
いつの間にだよ。聞いてないよ」

お前ら、知らん間にアオハルか!
さっきの『ぼっち』発言が
ブーメランでわたしに

あ、これ返ってきてる?
時間差でマジに効くんだけど!

あ、しかも
わたし恋愛初心者だ。
なにも、為になる話、ヤオに
してあげれないじゃん。

・・・・・・・。

「マイケルさま?」

ヤオが まだマイケルの手を
両手で包んだままで、
その手は すべっとしいてる。

覗く顔は
いつまで経っても
幼さがあったのに、と

マイケルは
改めてヤオを見つめた時、

ヤオの通信回線が開いた。


『ヤーオ・ルゥ・ヤングァア嬢!
ワーフ・エリベス像への魔力
注入を開始する
結界中の準備はいいか?ヤオ?』

藩島中の魔導師配置図と
カウントダウンが
表示され
魔導師ザードの声が伝えられ、

「かしこまりました。」

ヤオが簡単に返事を
した。


『ゴーー ーンガゴラーーーンガラ ーーーン
ゴーーーンガ ゴラーーーンガラーー ーンゴーーーンガ ゴラーーーンガ ラーーーン』


魔導師ザードの叫びに、
王将軍テュルクは
直ちに、
通信回線を全開に
激吼する!!


『鐘を鳴らすモノ!藩島の民!
全員、完全避難しろー雄雄雄!』

その知らせに
全ての民が一斉に動く!


そして、
ウーリューウ藩島が

その虚空も

全てが一瞬に、 凪いだ。