大師は、
再び 静かに瞼を開く。

ジオラマの虚空には、
今も間違いなくマイケル思念身体が
横たえている。

「故にもはや、
記憶を『走査』するマイケルは
思念体というよりなぁ、実は
魂魄ーこんぱくーじゃよ。」

アンティーク調の円卓に
浮遊する、
シャンデリアのような
双・璧 のクリスタのジオラマ
2つ。


魂は心を支える力にして陽
其の力は天に帰し、

魄は体を支える力にして陰
其の力は地に帰す。

「が為の浄化がマイケルの記憶
ぞ。ヤケラよ、これでも最小限
の『陰』じゃて勘弁せよのぉ。」

マイケルを内包挟んで
今や上下のクリスタルジオラマは
少しずつ互いを侵食してゆく。

「地のモノの力は天のモノの力
に、変換してゆく。じゃから、
心凪いでくれよぉ、レサもな」

マイケルを挟み、重なりつつある
ジオラマは、
周りに花紋の結晶を 12個
衛星のように
今も廻らせている。

迷故三界城

まだ迷うが故、
欲もつ令嬢世界を離れ
城にて、体という器を脱いだ。

「今一度、己の記憶の波に
漂いながらのぉ、気が付くじゃ」

魂魄に成りし 段階より更に先へ

「さすれば、貫く2つの島に、
光が繋がる。その原子はあと、」

マイケルを挟んで上下に光柱連結
されたジオラマを軸に
花の結晶花開き始めた。

『走査』。

、、 どうじゃな?気分は?。

悪くない。しいていえば、
波に 久方、心がザワついておる。

大丈夫
12個浮かぶ花の結晶は、
開きつつある。

しかして
マイケルの心の煌めきは
まだ 硬いサウンド。

「 じゃが、必ずくる。」

調整世界のエネルギーを変換
する
ビッグウェーブ。

感情のインフレーション。

ブレーンエネルギー。

「来たれ、わが ロード。」

じゃろ?マイケル。

暫し

遠視。