駆け
昇る
気流が
瞬く間に
白い
翼龍の
後ろに
飛び
去って
地上から
真っ直ぐ
伸びる
雲となり、
跡になる。

翼龍隊長ドゥワネイが、
操る翼龍は、他に類を見ない
白き龍だ。

「具おおおおお00000000000」
↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑

凄まじい重力と風圧を
ビシビシ、両頬を盾に
受けながら、ドゥワネイは
弾丸の如く
白い翼龍で雲の上へと走り翔ぶ。

猶予は無い。


『ガラーーーン..ガラーーーン..ガラーーーンガラーー...』

天空に
駆け上がって尚、
祓いの鐘が、
急き立てて
ドゥワネイに、
振動を届くるのだから。

空に上がれば、
次元の揺らぎが所々起きている
のが
ドゥワネイにも 嫌でも解る。

飛び始めて最初に
ドゥワネイを
襲ったのは、磁気粒子の砂嵐。
雨霰の如く、飛行鎧を
皮膚を
叩きつける粒子が、其のまま
体の臓器を連打して
通り抜けた。

「これは!堪らん!!」

下手をすると、翼龍が持たない!

ドゥワネイは慌てて、
横に周りこんで、
粒子雨を避けて、
それでも昇る。


そうすれば、
「今度は!次元の揺らぎ?!」

まるで、水の中の影牢が
割れて飛び散る硝子になって
煌めく様な、
次元の揺らぎの幕が、
粒子雨の周りを囲んでいる。

「支龍隊は、もっと 離れて
上がらせるしかないか!!」

下から
続くであろう、部下達の
飛行経路を 確認しつつ
磁気を、帯びた塊を
ドゥワネイが 抜けた時、
大気圏雲の合間に見えたのは。

~ ゆっくりと、
ゆるやかに、
徐々に 傾き ~
虚空から
~ 沈むように ~

墜ちていく、~
影牢の ~

~ 島 ~


「次元津波?!異世界の一部とわ
何だと思えば、島だと!いや、
島なのか?!島が墜ちるか?」

さっきの衝撃は、
島の地下径が
崩れ落ちる
粒子か?

翼龍隊長として、ドゥワネイの
判断と非常識な光景に、
喉からは、唸り声しか出ない。

「U有無無無uuuu、、
此れは、どう報告すれば
良いか?!わからん!
ええい!もう少し近づくか!」


『ーン ガラーーー..ンガラ
ン...ガ ラーー ーン .... 』


白い翼龍に跨がり、
眼下の状況を
報告するのを止め
ドゥワネイは、
腰の道具入れから
ピンクに発光する魔充石を
掌に乗せると魔力を
吸収する。

ドゥワネイの眼が薄紅になる。

「ほ、遠視とは、こんな使い方が
あるのか、お、あれは人だ!」

い、いかん!多い。
島に人が、多すぎる!

ドゥワネイが
付加した遠視能力が 即時
次次に、異世界から墜ちる
島の上で、その浮遊感に
右往左往する人間を
見せていく。

慌てて今度は道具入れから、
ブルー発光する魔充石を出して

ドゥワネイは、
分解構成の能力を吸収した。

思い描く人が点在する◯になり、
それを意識の真ん中に寄せて、
大まかに数えると、

「な、けっこういるぞ!500?
いや、700超えるか?おい。」

この人数を、拾うのか?
もう、
大型商隊の海難救助並みか?!
思わず、ドゥワネイも
戦いた。

緑の弁髪を握って、
大きく深呼吸すると、
地上にいる 宰相カハラに
ドゥワネイは 意を決し、

「異世界から墜ちてくるのは、
ウーリューウ藩島の
半分程の島。
島にいる、異世界人は
700以上。
島の地下径部が、磁粒子になり、
崩れ墜ちてくるため、
通り抜け 回避が必要。よって、
飛行能力に身体強化と、
遠視付加を装着願う!!」

指を舞わして報告を飛ばした。

回線は、翼龍隊全隊員にも
オープンにして、
追加の指示を飛ばす。

「異世界人を拾いあげて、
飛ぶ為、海難救助と同様。
身体固定の魔用品を活用!!」

ドゥワネイは、白い翼龍の頭を
ひと撫でしてやって、
影牢の様に沈む、天空の島から、
遥か下に見える

ウーリューウ藩島を
見下ろす。

あちらこちらの地面から
温水を空高く噴出 させて、
温水で溝を抉る姿は、
空から見ると、
辛うじて繋がる
モザイク状態になっている。

「こりゃ、うかうかしてると、
持たないどころか、俺は、、
空に上がったヤツらは 最悪
地上に、、戻れなくなるか?」

異世界人を拾い上げたまま、

もしや、

空から降りれない!!だと?



『ーン ガラーーー ..ンガラ
ン...ガ ラーー ーン .... 』


今更ドゥワネイは、魔導師サードの言葉を実感する。

『今一度、最大にして緊急告知!
力ある者は、聞け!!
空から降ってくる、異世界人を
全員漏れなく!受け止めろ!!』

一重に

地空結界を稼働させる為に。