今日は一段と冷えているし一刻も早く帰ってぬくぬくしたい気もするが、あの買ってくださいと言わんばかりの誘惑に勝つには、今の私の胃袋に食べ物が足りてなさすぎる。
今日に限って給食のおかわりジャンケン、白井に負けちゃったからなぁ。
コミカルな入店音とともに私は店に踏み入るなり、一目散にレジへ。
レジ前のおでんの具を、ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつチョイスした。


「10円のお釣りでございます。ありがとうございましたー」



とても愛想のある店員からお釣りを受け取り、カウンターの上に置かれたおでんのカップ入り袋を手にする。
買い食いするの久しぶりかも。歩きながら食べよっと。

ルンルン気分でコンビニを出ようとした時だ。
ガラス張りの面積が多い、開放的な出入口側にある雑誌コーナーにて見慣れた人物の姿を発見し、私は慌てて歩みに急ブレーキをかけた。