幼馴染に恋をして(杏那ver)


斉木さんの私化が高校一年の中でかなり噂になり始めていた・・

だいたいの意見はストーカーとなっていたけれど

結愛ちゃんと私は違うと思っていた・・

私達がどんなに考えても所詮16歳の子供の考えられる事はたかが知れている。

結局いつも答えは見つからずモヤモヤだけが残る。

9月の終わりに海斗が明応大学での面接と小論文が終わり
結果を待つだけになっていたが
ここまで進んで不合格になる事は無く海斗の医学部が決まったのを確認して

私は思い切って高校三年の教室に向かった・・

海斗は自分に用事かと思ったみたいだけれど

私は落合さんに話があった・・

放課後、私達四人は駅前のファストフード店に居た・・

海斗と あ~君は少し離れた席に座る。

本当は二人が良かったがついてくると 男子二人が譲らなかったから

最終的に女子トークだから内容は知りたがらないでと
約束を取り付けるだけで精一杯だった。

何処までも過保護な二人の視線を背中に感じ・・

私は落合さんに思い切って

「斉木さんが私にそっくりになってきている理由ご存じですか?」

直球で口にする。

彼女は私を凝視した・・

首が二回縦に動く・・

先に続けたい言葉は喉まで出かかっているがグッと踏みとどまる。

落合さんは斉木さんの親友だ・・

余計なことを言うより彼女の判断を聴きたい・・

暫く沈黙が続く・・

沈黙に耐えられなくなったのは落合さん。

「最初は無いものねだりだと思ったの。癖毛の人はストレートヘアーに
ストレートの人は天然パーマに憧れるような・・そんなの事だと思ったの。」

その気持ちなら私も解る・・

「だからその髪型いいね~なんて言っていたの・・でも、ピンが・・」

「ピンが?」

「そう、イチゴのピンを着けてきて・・」

「あ・・」イチゴのピン・・

昔、海斗がプレゼントしてくれた100均のピン。

今は付けないが中学2年の頃はヘビロテだった・・

「なんかアンバランスって言うのかな?
高校生がするようなピンじゃなかったから・・
気になって・・そもそも ココアは余りピンをしていなかったの・・
それが急にだから しかも年齢よりも幼いピンで・・」

(そんな昔から・・)

「私、森さんが中学二年になって直ぐの頃、
部活の帰りあの二人と一緒に駅まで歩くのを見たことがあるの・・
その時、貴女の髪の毛を見て(そうあの日彼女の髪の毛に目が行ったのは・・)
前髪をイチゴのピンで留めているのが記憶に残っていたようで。
ココアのピンを見た時に記憶が呼び戻ったの・・
それから森さんを見かける度にヘアアクセをみるようになって・・
貴女も気が付いているように貴女のヘアアクセはコンプしていると思う。」

私が持っているのは私が100均や300均で買った
誰でも手に入る物もあるが良く着けているのは
海斗や海斗ママがくれる他所で見た事が無い物だ。

ましてや海斗ママのプレゼントは自社ブランドで値段も安くない。
商品になった物もあるが商品化されなかった物もある。
それなのにコンプ?

「どうして?・・・」

「それは彼女が斉木 心愛だからよ」(そう、貴女じゃなから)
と胡桃は心の中で思ったけれど口にはしなかった。

多分、森さんは気が付いているから・・

でも、それを受け入れるには高校一年では難しいだろう。

胡桃自身、ココアが何処を目指しているのか解らないのだから

「本当は友達の私がココアに助言すべきなのは重々解っている。
でも、ココアは今私と距離を置いているの・・
多分、私がココアの変身に否定的な意見を言ったから・・
だから森さんが期待しているような事は出来ないの。」

しばらく落合さんは私を見つめ

「こうやって森さんと話すと今のココアの話し方、笑い方、
髪の毛を耳に掛ける仕草迄吃驚するくらい瓜二つなのね。」

そう言って彼女は下を向き小さな声で

「何もしてあげられなくて申し訳なく思っている」

その言葉に私は

「実害がある訳では無いのでどうする事も出来ない・・
でも、気持ち悪いので念のため担任には相談しました。
担任も実害が無いからと・・
ただ、上級生が下級生の真似をするのは珍しいと苦笑いでした。
それと高校一年の中では悪い意味で斉木さんは有名人です。
だからもし、落合さんが話してどうにかなるなら・・
と思って呼び出してしまいました。」

私達はお互いに解決できない事に焦れていた・・

見つめ合って何も喋らず時だけが刻まれる・・

そしてなんの解決策も見つけられないでタイムオーバー。