スマホの目覚ましが鳴る前に目が覚めてしまった。

セットを解除してからぼんやりと天井を眺める。

昨日の制服の少女はリリカちゃんだったんだろうか。それとも、暗くて私が見間違っただけなんだろうか。

『あら、お友達は?』

『もう帰っちゃったみたい』

『夕飯食べる?』

『ううん、いい。もう寝るから。スイーツも明日食べるね』

『わかった。おやすみなさい』

母と玄関先で会話を交わしてから階段を昇り枕元のスマホを手に取ると、ライン電話の不在着信とラインが数件届いていた。

全てリリカちゃんからだった。

【リリカちゃん:傘!なんで持ってかなかったの~?】

【リリカちゃん:どした?なんかあった?】

【リリカちゃん:おーい、生きてますかー?】

【リリカちゃん:寝てる?】

20時半頃届いたラインが最後だった。

【リリカちゃん:今から家行く!サプラーイズ!!】

リリカちゃんは傘を差さずに帰った私を心配してくれていたんだろう。

その優しさに感謝する気持ちが生まれる一方、昨日の彼女の様子が気になって仕方がない。