「ごめん。起こした?」

「ううん。どうしたの?眠れない?」

「そうじゃないんだけど、なんか眠るのがもったいなくて」

この瞬間が永遠に続けばいいのに。今の幸せをずっと手放したくない。

萌奈が布団から出てベッドに昇る。

「綺麗だね」

「うん」

窓の外に広がる夜空をそっと見上げた。

満天の星空がに目を奪われる。

「リリカちゃんは太陽で、私は月。ずっとそう思ってた」

「あたしが太陽?萌奈が月?」

「そう。太陽みたいな眩しいリリカちゃんに照らされたかった。私はリリカちゃんみたいに一人では輝くことはできないと思ってたから」

あたしはフッと笑った。そんなことを考えていることがあたしにもあった。

「太陽と月は同じぐらい大事だよ。月は夜空を照らしてくれるもん」

いま、あたし達を照らしてくれているみたいに。

「太陽と月は互いに影響し合うんだよ。シンクロし合う関係なの」

「そうなの?」

「うん。あたしの解釈的には、ね」

「なにそれ。ずいぶん適当だなぁ」

萌奈がクスクスと笑う。