「リリカちゃんがいいなら大歓迎よ。こないだスイーツを頂いたお礼をしなくちゃいけないもの。じゃあ、夕飯はうちで食べてもらう?」

「いいの?」

「えぇ。じゃあ、夕飯の準備が出来たら二階に運ぶわ」

「ありがとう!!ケーキ買いに行ってくるね!!」

私はバッグを手に玄関を飛び出した。

と、同時に隣の家の玄関も開いた。

互いに目を見合わせて、私と斎藤さんは同時に「こんにちは」と言葉を発した。

自転車を押して道路に出ると、斎藤さんが笑顔で歩み寄ってきた。

「萌奈ちゃん、どこかにお出かけ?」

「はい。今日、友達の誕生日なんです。それでケーキを買いに」

「あらっ、そうなの。もしかしてこの間の可愛いお友達?えっと、リリカちゃん?」

「そうです」

そうだ。斎藤さんはリリカちゃんのことを知っているんだった。

「あれからどう?リリカちゃんとはうまくいってる?」

「はい」

「そう。よかった。萌奈ちゃんはあの子に過去も全部話せたんだね」

「え?」

斎藤さんの言葉に首を傾げる。

「ほらっ、この間リリカちゃんを萌奈ちゃんの家に案内したでしょ?そのとき、色々な話をしたのよ」

「え……、それって私の中学時代の話ですか……?」

リリカちゃんに斎藤さんは何を話したんだろう。

私の言葉に斎藤さんの顔から血の気が引いていく。