「そうだな〜、実ったと言えば実ったんだけど……」
期待している胡子ちゃんに対して言いにくいのか、だんだん語尾が小さくなっていく愛先生。
「……ほかの女の人が、いたんですか……？」
いやな予感がして、先回りしてそう尋ねると。
ちょっとびっくりした顔で、愛先生はわたしを見たあと、こくりと首を縦に振った。
ズキっと心が痛む。
まさに、わたしと万里先輩じゃないかって。
わたしと万里先輩はお互いに恋してないけれど、変なカンケイ。
不即不離、つかずはなれず、っていうカンケイ。
「うそ……」
絶句する胡子ちゃんに対して、わたしはどこか冷静でいてしまう。
万里先輩も、わたしだけじゃない。
ほかの、女の人が待ってるし、求めているから。
