そういう人と関わると、ろくなことがない。
「……もう、戻ってください」
彼の視線から外れるようにふいっと横を向いてそういうと、「えー」と先輩は不満げに声を出す。
「まだいちゃ、だめ?」
「……っ、だめです!」
な、なにいまの!
子犬みたいな瞳で見られてきゅん、としてしまった。
先輩のお願いは、……おそろしく流されそうになる。
「あれだね、コーハイちゃんすっごい居心地いい」
「は、はあ……」
そんなことを呟きながら動かず滞在する先輩。
なんだか、このまま言いくるめられてこの人がずっと保健室にいそうな予感が……。
そ、それは阻止しなきゃ……!



