「いや……、となりの席だから、ふつうに話すよ?」
胡子ちゃんだって、となりの席の山内くんとそれなりに話すでしょ。
そういう思いを込めて言うと、胡子ちゃんは、うーんと唸った。
なにかがしっくり来てないらしい。
「だって、ゆんに話しかける男子なんて、珍しいからさ〜〜」
「そ、そんなに?」
「うん。だって、ゆん、超ガード固そうだし話しかけにくいっしょ」
「……そうな、んだ」
わたしってほかの人に、そう思われてるんだ……。
自分のことって他人からしたらどう思われてるのかなんて知らないから、改めてそう聞くと複雑な気持ちになる。
そんなにつれない雰囲気なのかな。
……まあ、男の子と話すのは苦手だから、案外、良かったのかも?



