.
「ゆんにモテ期か〜〜」
「そんなんじゃないよ……、胡子ちゃん」
その日の昼休み。
わたしがいるのはもちろん、保健室。
今日はたぶん先輩は来ないだろうと踏んで、
胡子ちゃんと愛先生とわたしで女子トーク。
なにを話しているか、と言ったら、ただひとつ。
ほぼほぼわたしの話題でひっきりなしだ。
「ゆんさ、今日、夏川くんに話しかけられてなかった?」
胡子ちゃんは、にやにやとそう言う。
夏川くん、という名前に、愛先生もが「え、なになに夏川?!」とテンションがあがってるようす。
……愛先生、ほんとフレンドリーだなあ。
男子の生徒とも仲良いのが、こういうときにわかる気がする。
それはそうと、胡子ちゃん。
鋭すぎる、っていうか、よく見てたなぁ。



