だけれど。


ふと、感じた違和感。




「なんで、女の人から逃げていたんですか……?」




遊び人。

女好き。



そう噂される学校一のプレイボーイでモテ男が。


遊び相手の女の子から逃げてるなんて、変な話だ。




そう思ったけれど、


先輩は、おかしそうにクスっと笑った。




「そういうときもあるんだよ」




バカにしたような言い方に、少しカチンときてしまった。


せっかくかくまってあげたというのに、釈然としない。




「……にしても、俺のこと知らないんだ?」




さっきの女先輩とおなじくまじまじ見つめてくる先輩に、反抗したくなる。


モテていることも有名なことも自覚済みらしい。



まあ、ここにきて『俺?モテないよ』なんて言われてもうさんくさいだけだけど……。