「夏川くんと話していて……、いざこざ、みたいな?」



たぶん、夏川くんも夏川くんで悪気なんてひとつもなかったんだと思う。


ただ、興味本位、みたいな。



だから、万里先輩の名前は伏せて、そう伝えたんだけど。



「……ナツカワくん、ってなに、
だれ?」


「へ……?」



ちょっと低くなった声に不思議に思いながら、「クラスメイトの、男の子です」と答える。



なんだか、先輩フキゲン……?



「仲いいの?」



さっきから質問攻め。


なんのことかさっぱりわからないけど、とりあえずここは言うこと聞いた方がいいと思い、口を開く。



「夏川くんとは、今日、話したばっかりですけど……、」



となりの席だから、必然、的な。


先輩だって、となりの席が女の子だったら意味なんてないけど話したくもなるでしょ。