誘惑じょうずな先輩。



「か、かわっ……」



かわいい、って……。

先輩のその言葉は、爆弾すぎ、キケン。



天邪鬼で気の強いわたしが、かわいい、なんて。


先輩、趣味、変だよ。




「俺らしくないけどー……、ゆんちゃんに好かれるためにがんばる、」



ドキドキしすぎて涙が滲んできた。

だって、わたしのため、なんて。


……パワーワードなんだって。


好かれるように、なんて、もう好いてるよ。




「ゆんちゃんのタイプ、なに?」


「た、……タイプ、ですか?」



「そう」



改めて聞かれると、なんだろう、って考えてしまう。


わたし自身、恋なんてしたことないし、だれかを好きになったことすらない。



だから、そんなに細かいことはないんだと思うけど……。