誘惑じょうずな先輩。



“ クラスの男の子に先輩の遊び相手だと思われて、怒って逃げてきました ”


……なんて、言えるわけない!!




こういうときは、なんと言葉を濁す作戦。


でも、早く言わないわたしを不審に思ったのか、眉をよせる先輩。



「……なーに」



ウソを言わせない、そんな瞳で至近距離から見つめられて、ぐっと唇を噛み締める。


だから……っ、近いんだって、。




「そ、そのまえに、離れてください……っ、」



背中にくっつく先輩から身をよじって回避しようとするけれど、そうカンタンにはいかない。




「やだ」


「やだ、って……、子どもですか」




「んー……、
俺が子どもかどうか、証明してあげよーか」




ただでさえ近い距離をもっとつめて、甘い吐息がかかるくらいに接近する。


そう……、ちょっとでも動いたら、
触れてしまいそうな距離。




「……おいしそーだね」