誘惑じょうずな先輩。



「……っ、」



なんでそんなこと言うの。

そんなこと言われたら、また、もっと火照っちゃうでしょ。



知ってる。

先輩が確信犯でこんなことしてるなんて。



「慣れてねーのも、かわいーね」



甘くて、甘くて、甘くて。


ここが学校で、休み時間なんだってこと、忘れそう。



こんなとこ、もし、万里先輩のことが好きな女の子や、知り合いに見られたらとんでもないことになるってわかってる。


けど、拒否することなんて、
わたしにはできない。



たまに砕ける先輩の口調。


男っぽくなって、よけいに心臓が暴れる。



「……照れすぎ、」




ちょっと強引に先輩の方を向かされて、ぱちりと目が合ってしまった。


しっかりわたしの赤い顔を見て、先輩は……。