「万里さ、あの子、遊んでそうだけど、違うの?」 「んー、ぜーんぜん。 弱いとこ、ばっかりだし、ちょー純粋なの」 「へえ、俺、けっこうタイプなんだけど」 「……ゆんちゃんは飼い主の手を噛んで離さないようにする子だから、お前にはゆずってあげない」 「意味わかんないけど、万里にしては珍しーのな」 「なにがー?」 「その女のために、 お気に入りの香水、変えるくらい夢中になってるのなんて」