「お願い、かくまって」
困ったように眉を下げる先輩。
世の女子は皆、自分の言うことを聞くとでも思っているんだろうか。
そうだとしたら、相当イタい。
けれど。
どうしてだろう。
本当に困っているように見えてしまうのは。
「いまバンリの声聞こえなかった?」
「うそ〜〜、まさか保健室にいるとか?」
「え、それじゃあ、わたしたちストーカーしてるみたいじゃん」
やだ〜〜、なんて言いながら近づいてくる声。
会話から保健室に向かってきているのは確実だ。
このままじゃ、見つかってしまう。
なんでそんなに隠れたいのか知らないし、キョーミだってさらさらないけど。
ぐるぐるぐる。
頭の中、そんなことを考えるけれど。
……あー、もう!
「……今回、だけですからっ」



