そういうことを言うとき、先輩は必ずわたしの顔を見る。
まるで、反応を確認するように。
堕とせてるか、確認するように。
なんでだろう、先輩のことになると、こうも神経質になってしまうのは。
たぶん、先輩の、ただの癖なのに。
……どうしよう、わがままになってる。
「そう、ですか」
やっぱり、好きになってろくなことはないと改めて身に染みた。
近いと、熱くて火照るせいで 恋 と錯覚してしまいそうだけど……、
そうはなってはいけないんだ。
だって、先輩は誘惑が大の得意で、上手で、
学校一のプレイボーイだから。
「あれ、ゆんちゃん。
どーしたの?」
先輩のせいだよ、
わかんなくてもいいよ、いいもん。
ツン、と顔を背けてると、先輩は苦笑ひとつ。
「………かわいー、あー……、もうそーゆーとこなんだよなぁ」



