誘惑じょうずな先輩。



「ずっと前から、……癒しを、ゆんちゃんを探してた」



そう優しく微笑んで。

胸が、満たされて、幸せで。


その言葉だけで、……もうじゅうぶんだ。




「……俺を変えてくれてありがと、」




「……それは、ズルい、です」




変えたつもりなんかない。


先輩が自分で変わったんだよ。



わたしなんて、先輩のとなりにいただけだ。





「ゆんちゃんのおかげ、ぜんぶ」




わたしの髪を手でくるくるしながら言う先輩。


ちょっとした、照れ隠しなの、知ってるよ。




先輩の言葉が嬉しい。

先輩の伝え方が嬉しい。



先輩が……、大好き。





「……あ、そういえば」



いま、思い出した。

ちょっとした、違和感。