飲もうと思ってたのか、薬に手を伸ばしてた手がぴたりと止まってる。
かわいーね、ほんと。
そのかわいさ、俺にとったら猛毒。
「そんな、つもり、なかった……で、す」
「俺はあったよ」
「でも、それは先輩が……っ」
「ゆんちゃんが誘っただろ」
ゆんちゃんの手にある薬、ちらりと見る。
……カプセル、か。
ざーんねん。
粉状なら、口移しでもしてあげられたのに。
でも、そんな過激なことしたら、ゆんちゃん高熱出すかもね。
そんで、ブッ倒れる、ぜったい。
ピュアだし、敏感だし。
俺、よく我慢してる、認めてほしい。
「先輩、……あつい、」
ぱたぱた、て部屋着に風邪を通すゆんちゃん。
……だからそーゆーの、いろいろ危ないから。
限界くるから。
ほんと、なんもわかってないね。