誘惑じょうずな先輩。



我慢、我慢、我慢。


よけいなことは考えないようにしよう。




……だいじょーぶ、いける。




「ねえ、万里先輩」


「……うん?」




「きてくれて、……ありがとう」



「どーいたしまして」




こんな素直なゆんちゃん見れるとか最高じゃん。


めっちゃ得した気分。

我慢はしなきゃいけないけど。



思ったよりも、ゆんちゃんは甘えただ。



いつもどっちかというとツンとしてるから、こういうときに出るんだと思う。




……まあ、ギャップだよね。





「…………ねる、」




俺があんまりつれないと思ったのか、少し頰を膨らませてそう呟くゆんちゃん。


いや、なにしてもドキドキするんだけど、なにこれ。




困ったことに、寝るとか言ったくせに俺の腕、解放する気配一切ない。