誘惑じょうずな先輩。



……わたし、いつハーグンダッツ好きって言ったっけ。



ジトって見つめたら、先輩、口を割った。


どうやら、愛先生に聞いたらしい。



せっかくこの前、見つかったらいけないと思って逃したのに
……仲良いんだったら意味ないじゃん、と少し毒ついた。




焦って困っていた前のわたし、なんだったんだろう。




「……ミント、」



ポツリと呟く。


その声を拾った先輩は、にこって笑う。




「うん、ミントあげるよ」



別に、ミントアイスにつられたわけではない。



ただ、たぶんそういう言い訳が欲しかったのかもしれない。



だって、先輩、
言うこと聞くのはアイスのおかげって、
勘違いしてくれるでしょ。



「いいよ、呼んで」




わたしを座ったまま見上げて、上目遣い。


こういうのって、女子がすることじゃないの。



なんでわたしの鼓動が高鳴ってるの。

おかしいよ、ほんと。