誘惑じょうずな先輩。



「み、耳……っ、」



「うん、それがなに?」





先輩、……意地悪。


そんな先輩も……、嫌いじゃない。





「噛まない、で……っ」




恥ずかしいよ。

言わせ、……ないでよ。



ボボッと赤くなるわたしの顔と耳を見て、
先輩はくすくす笑う。



「……敏感だよね」



言わなくてもいいこと。

わざと、わたしが恥ずかしがることを平気で言ってからかってくる。



それに……、なんで、やめないの。



「先輩って、……サドなんですか、」


「えー……、ゆんちゃんが恥ずかしがってるの見て押し倒したいとは思うよ」



「……なに言って、るんですか」



顔を手で覆う。


もう、先輩はストレートで困る。



いつも余裕なくなるのわたしだ。