『ほかの女子も楽しんでたよ』
遊び人で女たらしの万里先輩が、そう女の子から認められたのは。
ちゃんとみんなとお別れをして、わたしと向き合ってくれたから。
万里先輩のお友だちさんが言っていたように、……わたしは気づかないうちに先輩の愛で包まれているのかもしれないって。
ちゃんと、わかったよ。
うん、わたし……、幸せ者だ。
そうひとりで考えていたら、頰が緩んじゃって、隠せない。
そんなわたしをしっかり見ていた万里先輩は、無言でむにっとわたしの頰をつねる。
覇気のない瞳でキッと睨むと、先輩はクスクス笑って頰から手を離した。
「よーし、可愛いゆのはちゃんに免除して、お姉さんがクレープ奢ってあげる!」
「えっ……、そんな、」
「いいの、いいの!
万里をまともな男にしてくれたお礼よ、気にしないで!」
「……あ、りがとうございます……っ」



