「もーう、好きな子できてから、途端に女の子の扱いが適当になったんだから！」
そう言うと、バシーンと先輩の背中を叩いた。
「痛い、」
不意打ちだったのか、万里先輩、相当痛そう。
……万里先輩をこんな感じで接する人もいるんだって。
ちょっと意外で驚いてしまう。
でも、そんな様子を見ていたら、
この美人先輩は万里先輩をそういう目で見ていないってわかって、安心もあり、なんだかくすりと笑えてきた。
すると、突然、わたしに視線を向ける。
「そして、この子！
噂のゆのはちゃんだよね！」
「あっ……、香田ゆのはです」
「やーん、可愛い！
ちっちゃいし、守りたくなる！欲しい！」
「あ、あはは……」
勢いに圧倒されるも、わたしをイヤがってるわけではなく、美人先輩は純粋に興味を持って話しかけてくれる。
それが、どうしようもなく嬉しかった。
正直、先輩はすっごくモテるから、きっとわたしはいいふうに見られてないだろうと踏んでいたから、よけいに。
