あとできちんと聞こう、と思って先輩のあとを歩く。
万里先輩、わたしの歩調と合わせてゆっくり歩いてくれている。
……もう、そういうところだよ、先輩。
「あーっ、バンリだ!」
歩の行先は万里先輩のクラス、クレープ屋さん。
甘い匂いが漂っていて、すごく美味しそう。
そこにはたくさん綺麗な女の人がいて……、こんななかで先輩は毎日過ごしているんだと思ったらどうしようもなく不安になった。
それに、万里先輩の名前を呼んだ人。
これまたすっごく美人で、スタイル抜群で、
……その美貌に圧倒されてしまう。
「なに、うるさい」
そんな美人先輩(と呼ばせてもらおう)の声をそんなひとことで切った万里先輩。
しかめっ面だし、なんだかいままでの先輩の女の子の扱いとぜんぜん違うくて焦る。



