誘惑じょうずな先輩。




「俺、たぶん一生、
ゆんちゃんには敵わない気がする」



わたしにしか聞こえない甘い声でそう呟くと。



「……っ、」



わたしの手を、するりと絡めた。





「これだったら、俺、ゆんちゃんのものでしょ」



くすりと微笑む先輩は、やっぱりとってもとってもズルすぎる。


わたしのわがままも、ヤキモチも。

ぜんぶ、それよりもうえの愛で包んでくれる。



余裕だ、万里先輩は。


そういうところも、……大好き。




……だけど、そこで疑問がひとつ。


昨日、告白して……、想いが通じあって。

……それで、わたしたちって付き合ってる、んだろうか。



そんなことまで気にするわたしって、とんだわがまま女。

だけど、ちょっとそこは気になるし、はっきりさせたい……かも。