「俺さ、歳上がタイプなんだよね」
「……は、」
突然の失礼な言葉に眉を寄せる。
なにそれ、わたし後輩なんですけど。
そう思ったけど、先輩は、なんにも悪気がないらしく。
「だって、なんかえろいじゃん」
「……最低」
なんてことを考えてるんだ。
先輩の頭は“ソウイウコト”しかないんだろうか。
軽く蔑視を向けてみる。
先輩、クスって微笑んだ。
「でも、なんか後輩もいいかも」
ぐんと距離を縮めてくる。
その唇から出す言葉で下げて上げて。
誘いじょうず、惑わしじょうず。
赤い顔、ばっちり見られた。
別に、意識なんてしてない。
ただ、男の人に慣れてないだけ。
……そう、思いたい。



