「だって、なんでまたその衣装着てんの」


「ええ……、だって、コスプレ写真館ですし、」



「意味わかんない、いますぐ脱いで」


「……、誤解を、招く言い方やめ、てくださいよ」



もう……。

先輩の息が耳にかかってくすぐったい。



先輩はクラスの出し物の接客をしなくていいのかと問いかけようとしたとき。



「も〜〜、見てらんないんだけど!
ふたりの幸せオーラ!!」


「こ、胡子ちゃん……」



腰に手を当ててプンプンしている親友がそう言いにやってきた。


今日も今日とてメイド服がとっても似合っている。



胡子ちゃんは昨日目がちょっと赤くて、心配だったけれど。

夏川くんに『そっとしといてやれ』って言われて素直に聞いたんだ。


だからか、夏川くんのおかげかいつもの胡子ちゃんに戻っていて、内心ほっとした。


けれど、胡子ちゃんだけでなくほかのクラスメイトにも迷惑はかけられないから、先輩に言う。


「ほら、……っ万里先輩、離れて」


「ムリ。
ゆんちゃんは俺のーって示してんの」



「ううっ……、そんなの言われたら、許しちゃいますよ、」






「うが〜〜っ!!
もういいわ、さっさと休憩入りなさい!」