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* Another Story *【 夏川SIDE 】
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「あ、……夏川」
目の前には、宮川さん。
香田さんのいう、“胡々ちゃん” だ。
宮川さんの目は、真っ赤。
泣いていたって、丸わかり。
いま、講堂では告白大会が開催されているけれど、神田が来てるっていうから抜けて探しに行こうかと思ったとき、彼女に遭遇したのだ。
「おう」
なんとなく、わかった。
宮川さんが泣いている理由。
中庭の方向から走ってきたって言うのもあって。
……神田に告白かなんか、したんだろう。
「宮川さん、ちょっとこっち」
ほんと……、みんな世話が焼けるやつばっかりだ。



