誘惑じょうずな先輩。





「好きだよ、ゆんちゃん」




「せんぱ……っ、」





「好き、大好き、」





「……っもう、」







「ねー、……抱きしめても、いい?」




断るわけない……よ。


わたしだって、先輩が、好きすぎるから。




コクリと頷くと、万里先輩は嬉しそうにまた、ふにゃって笑ってわたしを抱きしめた。






ぎゅう、って、ちょっと苦しい。


けど、それくらいの幸せがわたしを満たしている。




「万里先輩……、」



「ん、なーに」






「先輩が、万里先輩が、……うんとだいすき、」




もっと、ぎゅううって抱きしめた。


先輩、潰れるかもしれない。







「…………やば、まって、いまの俺だけの言葉にしたい」




「え、」




「そんなの……、ズルい、ゆんちゃんかわいい、もう」



「あ、の、」






「いまのは、ゆんちゃんのせいだから」