「お願い、……ゆんちゃん。
もうちょっとだけ、まってて」




___ 『お願い、かくまって』




出会ったときの先輩とリンクした。


わたしは最初から、先輩にお願いされるのに、究極に弱いの。



誘惑だもん、これ。


……きっとわたしは、万里先輩の誘惑にとびきり弱い。





そんな優しい瞳を向けられて言われたら、それ以上のわがままは言えなかった。




「ほ、んとに、ちょっとだけです、」





可愛くない、そんな言葉を発したわたしに「いい子」って微笑んだあと。



ふわっとわたしの頭を撫でて、先輩は窓から去っていった。




風に靡いて、爽やかな空気が保健室を舞う。

____ 先輩の匂いは、なによりも中毒性がある、そう思った。