きっと、わたしがいちばん先輩のこと想ってる、んだよ。
そう勝手なこと思っても、思うだけだから、胸の中にしまっておく。
そんなみっともない嫉妬心が膨れあがる。
いままで湧き起こったことのない感情。
……こんなにわがままだったっけ、わたし。
自分が自分じゃないみたい。
恋って、一種の病だよね。
ふーっとため息をつくと、夏川くんも横でマネしてふーってした。
「俺って、お節介だろ」
ふざけた様子もなく、かといって真面目な雰囲気でもない。
けれど、なんだか大事な話な気がして、
ぐるりと頭の中で『お節介』という言葉を回してから、考えて答えた。
「わたしはそこが、夏川くんの、いいとこ……だと思うよ」
たしかに、夏川くんはちょっと過保護っぽいところがある。
心配性なのかもしれない。
