誘惑じょうずな先輩。



寂しい。

先輩と話せないなんて、学校生活、つまんないよ。


昼休み、先輩が来るかなってドキドキする時間がなくなるなんて、耐えられない。


けど。



先輩が、けじめをつけるの、見届けたい。


甘い、って思われてもいい。



それくらい…………、

わたしは先輩のことが好きって、自覚しちゃったから。



恋って、こういうものなんだとわかってしまったから。



考えるだけで魔法みたいに色づいて。


胸が高鳴って。


苦しくて。


だれよりも理解したくて。



どうしようもなく、その人を欲しくなる、

__ そんな感情。




孤独感と空虚感と……、確かな色めきに、
いなくなった先輩のシトラスの匂いを消したくなくて、そっと窓を閉めた。