ピリピリしたふたりに挟まれて、わたしなんかがなにかを口にできるなんて、ムリだ。
「あんたみたいに遊んでる人に、言われたくねえんだけど」
心が、ぎゅっと痛くなった。
夏川くんの言葉が、刺さりすぎて。
きっと、先輩、少なからず心を痛めてる。
わたしの憶測、先輩だって、遊び人になりたくてなってるわけじゃ、ないと思ってるから。
そう思うわたしは、根っからの万里先輩バカなんだと思う。
わたしの腕を掴んでる、先輩の手の力が、少しだけ緩んだ。
「ナツカワくんだって、いい噂ないでしょ」
零度……ううん、マイナス度くらいまで冷えた保健室。
わたし……、どうするべきなんだろう。



