誘惑じょうずな先輩。



「んじゃ、香田さんになにしても文句言えねえってわけね」


「へ……?」



意味のわからない言葉を呟いたと思ったら、急に上体を起こした夏川くん。


そして、グイッとわたしの腕を引いた。


「わっ……!」



その力が思ったより強くて、夏川くんの横に、倒れこむ。


ベッドが沈んで、心臓が早く鳴る。


驚いて即座に夏川くんを見ると、やっぱりなんにも感じてなさそうな動じない表情で見つめられた。


なにするの、とか、話して、とかいろいろ思うけれど。


彼がなにをしたいのか、まったくわからないから、どうしようもできなくなる。




「香田さんって、バカそう」




「……は、」





……え、そこでなんでディスってくるの?


予想外すぎて目を見開いて横にいるひとをガン見したら、夏川くんは「いや、」と弁解。