「、もう愛先生戻ってくるので、いい加減にしてくださいっ」



いくら気まぐれな愛先生だってそろそろ帰ってくる時間。


先生に見つかるのも、あんまり嬉しいことじゃないはず。


なんたって、保健室を無人だと思ってたっぽいし……。




別に先輩を心配しているわけではないけど、こうなった経緯を聞かれたらそれはそれで面倒な気もする。



いっそズルズル引きずって外に追い出そうと考えるけれど……、

現実はそう、うまくいかない。




「じゃあさ、名前教えて」



「へ……っ、なんで、ですか」



どういうこと?


もう関わる予定のない人なのに。



名乗ってしまえば、もう無関係にはなれない気がする。




「なんでもいいからさー。
名前なんてゆうの?」