「…嬉しい?なに言ってんの。俺たちはどう反応すればいいんだよ」
呼び捨ては舌をベーっと出して、西原に言う。
「…そうだね。俺たちだって。フアンクラブ入ってから、千花ちゃん一筋だし」
ちゃん付けは、飴をガチッと噛んで西原に声を発した。
「千花様の気持ち次第ですけど。嬉しいはないだろう」
様付けは下を向いて、西原を見た。
「…みなさん、千花のことほんと好きなんですね」
西原はクスッと笑って、ファンクラブ四人共に言い放つ。
「好きに決まってるじゃないですか」
様付けは腕を組んで、西原に声を発した。
「千花ちゃんは、みんなのもの。だけど、好きになったら、応援するしかない」
ちゃん付けはもう一度、ズボンのポケットから飴を出していた。
「千花が好きになったら、嫌でも応援するしかない」
悔しそうな顔をして、呼び捨て付けは、動画から目を逸らしていた。
「じゃあ、皆さんの意見出たところで。西原くん、あとは聞きたいことないかな」
殿付けはみんなの意見を聞いてから、西原に聞いてきた。
「ないです」
西原は真っ直ぐに殿付けに言う。
「…ではこれで終了。はい、ファンクラブ四人共、いいですか?」
殿付けはファンクラブ四人共に聞く。
「…いいですよ」
様付けはただ返事をした。
「いいよ」
ちゃん付けはブーッと口を尖らして言った。
「いいっすよ」
呼び捨ては動画を見ながら、殿付けに返事をする。
「いいよ」
さん付けは返事をした。
「じゃあ、これで終わりにします。西原くん。また」
殿付けは西原にそう言ってから、席を立った。
西原はファンクラブ五人共に礼をして、ドアを開けて去っていた。
「はあー、なんか疲れた」
ちゃん付けは背伸びをして、みんなに言う。
「…ですね。ふうー」
さん付けはため息をついて、どこかを見つめていた。
「なんだかね」
様付けは頬杖をつけて、声を発した。
「なんかあっという間だったなあ」
呼び捨ては、頭を両手で組んで言った。


