「いいね、ここの雰囲気」
私はそう言うと、根岸くんは座ってから私に声を発した。
「そうだね。いいメニューありそうだね」
私は鞄を椅子に置いて、机にあっあメニュー表をめくった。
「うん。あ、僕これにする」
根岸くんはメニュー表を広げて、すぐ決めた。
「私はこれにする、決まった」
私もメニュー表を広げて、決めた。
「じゃあ、ボタンを押すよ」
根岸くんは私にそう言うと、注文ボタンを押した。
店員はすぐ来て、根岸くんと私は注文したいものを言った。店員は繰り返してから、去っていた。
「美味しそうだね」
根岸くんは頬杖をついて、笑っていた。
「うん。楽しみ」
私も微笑んで、根岸くんを見た。
「あのさ、広瀬。聞きたいことがあるんだけど…」
根岸くんはコップを手に取り、ごくりと飲んで私に話しかけてきた。
「なに?」
私は首を傾げて、根岸くんに聞く。
「いや、あの…」
根岸くんは声を詰まらせていた。
「どした?」
私は何かを言いかけようとしている根岸くんに聞いた。
「僕、広瀬のこと…凄いと思うよ」
根岸くんは首を手に当てて、真っ赤な顔で私に言う。
「え?」
私は目を丸くして、根岸くんを見た。
「なに。どうしたの?いきなり」
私はまばたきせずに、根岸くんを見て聞く。
「…いや、だって。すごいなあって。はっきりモノごと言えるし、好きなものには優しい。そういう所好きだなって」
根岸くんはチラッと私を見て、照れた様子で言っていた。
「…あ、うん。ありがとう」
私は戸惑いながら、お礼を言った。
「だから、広瀬はそのままでいてね。何かあったら、言ってね」
根岸くんは優しく声で私に言った。

