元ヤンキー男子はツンデレ女子を溺愛している

「あ、いつもの千花ちゃんだ」

「そうだ。これがいつもの千花だ」

「千花殿だ」

「千花さんー!」

「千花様」

ファンクラブ共達は口々にそう言いながら、私は言い放つ。

キレている私もフアンクラブ共達五人にとっては、いいらしい。

何をやれば、フアンクラブ共達五人は、やめるのだろうか。

しゅんと落ちこんでいても、すぐ立ち直りそうなのがフアンクラブ共達五人だ。

「ああ、これが。私だよ私!西原凌なんて」

私は開き直って、ファンクラブ共達五人に叫ぶ。

これが私なんだ。
素直になれなくて、何か言われたって。

私は悔しいようなやりきれない思いが胸の中にあり、フアンクラブ共達五人と向き合い、黙っていた。

「今、俺のこと言った?」

どうしたら分からず、黙っていた私は、後ろのところから、クラスメイト達がボソボソと何かを言っていた。

私は後ろを振り返り、見ると西原凌がいた。

急に後ろのドアから西原凌がやってきたのだ。

「え?こいつ、千花ちゃんといた奴」

ファンクラブ共の一人は後退りしながら、目の前にいる西原凌に声を発する。