あれから約半年―――。



 この半年。
 長かったような短かったような。


 今こうして思い出しただけでも恥ずかしくなってしまう。

 それだからか。
 顔がだんだんと熱くなってきた。

 顔、真っ赤になっているかも。



「この辺りでいいか」


 ……‼


 隼理くんに声をかけられて。
 相当、自分の世界に入り込んでいたことに気付く。



 隼理くんが送ってくれた場所。

 そこは。
 学校から少し離れた裏道。
 側には小さな公園がある。

 その裏道は通学路ではないため。
 生徒たちが通ることもほとんどない。

 ただ今日は土曜日で学校も休みなので、もともと生徒たちが通ることもないのだけど。

 私のように部活がある生徒は学校に来ている。

 なので一応は用心している。



 さて、車から降りなければ。


「送ってくれてありがとう、隼理くん」


 そう言って車のドアに触れた。


「いいよ、そんなこと」


 やさしくそう言ってくれた、隼理くん。


「打ち合わせが終わる頃にメッセージを送るね」


 私は笑顔でそう言った。


「わかった、待ってる」


 そう言った隼理くんに。


「じゃあ、行ってくるね」


 車のドアを開け。
 隼理くんに手を振り。
 車から降りた。


 そして学校に行き。
 ライブの打ち合わせをした。

 打ち合わせが終わって。
 隼理くんが迎えに来てくれた。

 そのまま隼理くんが住んでいるマンションの部屋に戻り、もう一泊して。


 こうして土日が過ぎていった―――。