「ここでいいか……」


 朝海が連れて来た場所。
 そこは屋上。


「朝海……?
 一体どうし……」


「夕鶴、驚かずに聞いてね」


 私が言葉を言い終わる前に朝海の言葉が被った。


 驚かず……?

 朝海は何を言おうとしているのだろう。

 そう思うと、急に緊張が走った。


「……今、夕鶴のことで、ある噂が流れてるの」


「……噂……?」


「その噂というのが……
 ……夕鶴は飛鷹先生と……付き合っている……」


 ……っ‼


 言葉が……。
 あまりにも驚き過ぎて。
 出てこない。


 どうして。
 どうして、私と隼理くんが付き合っているということが広まっているの?

 あんなにも慎重に行動しているというのに……っ。


「……夕鶴……?
 大丈夫……?」


 私の様子に気付いて、朝海は気遣うように私にそう訊いた。


 けれど。
 思うように声を出すことができなくて。


「……あのさ、夕鶴、
 驚いているところ悪いけど……
 もう一つ伝えておいた方がいいと思うことがあって」


 もう一つ……?


「飛鷹先生、その噂のことで、
 今、校長室に呼び出されているみたい」


 え……っ⁉