教室が終わってから、龍聖君が私を車で送ってくれた。


『今日は悪かったな。まさか、山科さんと桜桃羽が知り合いだったなんて』


『恐ろしいくらいの偶然。でも…山科さん、翔吾君に言われて、本当に優しい顔になってた。きっと、本当はとても優しい人なんだろうな。それが離婚になって…すごくつらくて…どうしようもなく誰かに頼りたくなって…私、すごくわかる気がする。私も…同じだから…』


『…桜桃羽は…きっと、幸せになれる。今はまだ誰が好きなのかわからなくても、必ず…一緒にいて1番幸せになれるやつを選べるよ。もちろん、俺はあきらめてないし、桜桃羽を幸せにする自信もある。瑠奈にはさ、ハッキリ桜桃羽が好きだって言った。別れて欲しいって…でも、嫌だって言われて…それからその話、はぐらかされてまともに出来ないんだ』


瑠奈さんに…話してしまったんだ…


『そう…なんだ…だったら私、瑠奈さんにつらい思いさせてるんだね…私…最低だね』