『契約、良かったわね。水瀬ちゃんの努力の賜物だわね』


波山さんは、嬉しそうに笑ってくれた。


今日、法人相手の初めての契約が取れた。


だけど…


ほとんど波山さんの手柄。


私は、アドバイス通りに先方に話をしただけ…


もちろん、熱意はあったけど…


どれだけ伝わったのか…


『波山さんのおかげです。私はまだまだです。全面的にフォローして下さったから…何とか契約出来たと思います。本当にありがとうございます』


私は、心を込めて頭を下げた。


『そんなことないわ。もっと自信持ちなさい。先方の常務さん、水瀬ちゃんのこと気に入ってたみたいだから。仕事にかける情熱を感じたって言って下さったのよ。本当に…すごいわ。あの常務さん、なかなか手強いんだから』


そう言って、私の背中を軽く叩きながら、またケラケラ笑った。


波山さんといると、本当に癒されて元気になれる。


緊張がほぐれて、仕事も上手く行く…