ピンポン。


考えごとをしてて、その音に驚いた。


インターフォンが鳴る音にびっくりするなんて…


いい加減、冷静にならなくちゃ。


『誰だろ?』


インターフォンに写るのは…龍聖君だ。


『あ、はい。どうかした?』


『出てこれる?』


『え…もう夜遅いし…』


『明日、日曜日だし休みだよな?』


『そ、そうだけど…』


『頼む…開けてくれないか?』


ちょっと戸惑いはあったけど、それでも…


私は…


気づいたらドアを開けていた。


『ごめんな、ありがとう』


『さっきまで仕事だったんだ。ちょっと…疲れてて』


『こっち、来て』


え?


何も考える暇なんてなかった。


龍聖君は、私の腕を掴んで隣の自分の部屋に入れた。


『ちょ、ちょっと…』


龍聖君の部屋のドアが閉まる。


『無理やりごめん。でも…ずっと話したかったから。そば屋にも…行けてないしさ』